日高線が営業終了し、『日高線の記憶』本を見る

『日高線の記憶』本

JR日高線の鵡川=様似間、116キロが2021年3月31日、営業を終えた。2015年の高波被害で列車の運行が止まり、代行バスが走っていた区間。「さよなら列車」も走らない異例の別れとなったそうだ。

日高線は苫小牧駅から様似駅まで全長146.5キロの区間。1937(昭和12)年、浦河=様似間が延伸し、全線が開通した。太平洋を見ながら、サラブレッドの牧場風景、コンブ干場の脇を走り抜けていくバラエティ豊かな風景が魅力だった。

この記憶を残そうと、3月、1冊の写真集が発行された。タイトルはずばり『日高線の記憶』(番匠克久著・北海道新聞社)。

著者の番匠(ばんしょう)さんは札幌在住、北海道の情緒ある鉄道風景を撮影するアマチュアカメラマンだ。

本書には、文字通り情緒あふれる鉄道風景写真が収められている。ブルーアワーの夕暮れに鉄橋を進む車輌。ゴールドに輝く太平洋をかすめるように進む列車風景。湿原の中を1本のレールが敷かれた晩秋の光景を上空から捉えた1カット、などなど。どの写真からも、それが時間をかけ、狙って撮った快心の1枚だということが伝わってくる。

通勤や通学、旅行に使われてきた日高線。ひとびとの物語がページをめくるたびによみがえってくるに違いない。

記憶にとどめるために、記録された1冊だ。
ぜひ、お手元に。