ドラッカーに学ぶ経営・マネジメント・自己管理がわかる「読書会」がすごくいい

ピーター・ドラッカーの著作に学ぶ「読書会」が札幌の中心部で開催されている。今回、あたらしいファシリテーター(進行役)の読書会がスタートするということもあり、参加してきた。

「実践するドラッカー読書会」。道銀ビルの7Fにある法務会計プラザの会議室が会場だ。2つの読書会が連続していて、18時半からは第1部的に「経営者の条件」を読みあう会からスタート。

今回からファシリテーターとしてデビューされたのは、安田哲さん(右)と布田ゆかりさん。おふたりとも道庁に勤務する。今回はセルフマネジメントの決定版ともいえる「経営者の条件」から、第1章「成果をあげる能力は修得できる」という章を読み合った。

成果をあげる。成果とはドラッカー的に表現すると「組織の外の世界における変化」だそう。自社ではない世の中を変えることこそが成果である、ということだ。

わたしの分野でいえば、道内のあちこちの地方にまで外国人を訪問してもらえる状態にすることが、成果といえるのであろう。

今回は「目標や基準や貢献は自らの手の中にある」という23ページのことばに線を引き、考えた。

つづいて、第2部的に開催されたのは「中級編」の読書会。こちらは田畑さんと石川さんがファシリテーター。読む本もちがえて、今回は「マネジメント中」から第31章。「マネジメントの仕事」という章だ。

「読書会」のスタイルは、参加者が一人ひとり事前に読んできて気になって線を引いた場所を朗読し、なぜひっかかったのかについて気づきなどを発表する。その部分にかんして、ファシリテーターの方々からコメント・解説をしてもらうやり方だ。

この31章は短いながらも、大切なエッセンスがぎゅっとはいった重要な章。線がいっぱい引かさっている。

マネジメントの仕事とは、部分の総和よりも大きなものを生み出すこと。オーケストラの指揮官に似ていると、ドラッカーは表現する。しかも、指揮者であると同時に作曲家でもある、という。

さらに、直近の課題と遠い将来とのバランスをとれという。石臼に顔を向けつつ、丘の上の雲を見よということだ。

マネジメントの仕事には基本的な5つの要素がある。
1 目標を設定すること
2 仕事を分類し、作業にわける
3 チームをつくり、動機づけをし意思疎通をはかる
4 測定できる尺度を定め、評価をする
5 自分をふくめて人材を育成する

マネジメントの仕事は学ぶことはできる。が、初めから身につけていなければならない資質がひとつだけあるという。それは才能ではなく、真摯(しんし)さである、と。

真摯さ。

ひたむきに。誠実に。わたしの守備範囲であれば「ていねいに」ということであろうか。時間をかけた仕事をせよと。細部にわたって配慮がいきとどいた原稿を作成せよと。

重要な31章にふれた。