コトラーのマーケティング4.0を読み合う「読書会&研究会」がスタート

「HK・イノベーション・プラザ」が主催となる新しい勉強会「コトラーのマーケティング4.0に学ぶ読書会&研究会」がスタートした。道銀ビルの7F、法務・会計プラザの会議室に9人が集まり、学びあった。

読み合う本は「コトラーのマーケティング4.0」。フィリップ・コトラー、ヘルマワン・カルタジャヤ、イワン・セティアワン著。朝日新聞出版。

2017年の8月に初版が出された本。

これの前の「マーケティング3.0」が出版されたのは2010年だから、7年後になる続編だ。

7年のあいだには、いろんな変化があった。

シェアリング・エコノミー

オムニチャネル・インテグレーション

コンテンツ・マーケティング

ソーシャルCRM

などなど、多くのあたらしいトレンドが生まれている。

技術の融合は、最終的にはデジタル・マーケティングと伝統的マーケティングの融合につながると筆者たちは考えている。

その全体像を学ぼうという会だ。

第1章は「つながっている顧客へのパワーシフト」。

排他的・個別的なタテの関係から、包摂(ほうせつ)的・社会的なヨコの関係へ。

大切な部分を引用しよう。

・今日、われわれはまったく新しい世界に住んでいる。インターネットにより、接続性と透明性をもたらし、パワーシフトに大きな役割を果たしている。

・この力の移行により、われわれの世界を根底から変えている。ネット上の会話(カンバセーション)のほうが、的を絞った広告キャンペーンより信用できるようになっている。

・どのブランドを選ぶかを決めるとき、顧客は仲間の前例にならう傾向がある。

・ソーシャルメディアが人々の交流のあり方を一変させ、人々は地理的・人口動態的障壁なしに関係を築けるようになっている。

・今日、イノベーションはヨコのつながりから生まれるようになっており、市場がアイデアを供給し、企業がそれを製品化するのである。

・市場は大量に売れるメインストリームブランドから、少量のニッチブランドに移行しつつある。インターネットのおかげで、小規模な企業やブランドにとって、物理的な販売上の成約はもう存在していないのだ。

・最近の調査によれば、「Fファクター」とよばれる存在が影響力を増している。フレンド、ファミリー、Facebookのファン、Twitterのフォローワーだ。

・顧客は社会の意見にますます従うようになってきた。顧客はもはや受動的なターゲットではなくなり、能動的なコミュニケーション・メディアになりつつある。

・虚偽の主張をしたり、お粗末な製品を販売している企業やブランドは生き残れないだろう。透明性の高いデジタル世界では、欠点をかくしたり、顧客の苦情をかくりしたりすることは事実上、不可能なのである。

会では、それそれの立場からさまざまな実体験が語られた。例えば「ブランドとは何か?」。公務員が考えるブランド、ITの専門家が思うブランド、士業がとらまえているブランド。それぞれが違っていて参考になる。

スマートフォン時代がもたらす、接続性と透明性の世の中。

企業と顧客の関係が、これまでの常識とはがらりと変わる世界。

認識を改めたい人は、ぜひ参加してほしい。

次回は5月15日(火)、18時半から。