「チャイルドラインほっかいどう」〜悩む子を電話で支える活動に支援する方法
子どもの悩みに電話で支える「チャイルドラインほっかいどう」というNPO法人を知っているだろうか。18歳までの子どもを対象とした「子ども専用電話」。日本では1998年に東京で開設され、北海道では2004年に開設された。場所は公開していない、事務所に伺った。
お話を聞いた、チャイルドラインほっかいどうの理事・事務局長である水口良子さん。
専用電話の受付は毎週、月・火・水の16時〜21時。昨年度、2017年度の総着信件数は7,183件。そのうち、会話が成立したのは1,649件だそう。
4つのやくそくがあるという。
・ヒミツはまもるよ
・どんなことでも、いっしょに考えるね
・名まえは言わなくてもいいんだよ
・電話を切りたいときには、切っていいからね
利用年齢では中卒〜18歳が最も多く、次いで、中学生、小学生高学年となる。
会話の主訴は、学校のことや自分のことが多い。そして、性のことや家庭のことがつづく。
子どもたちが電話をかける動機としては「話しをきいてほしい」が圧倒的で全体の74%を占める。「答えがほしい」はわずか17%。以下、「誰かとつながっていたい」がつづく。
ときどき「テストで100点をとったよ!」といううれしい内容もあるそうだが、その反対の「困った」や「不安」が大半を占める。
たとえば、どんな内容なのか。
・「今、一人なの。さみしくて。電話しました。お母さん帰ってくるまで話していい? お母さんは8時に仕事が終わるんだよ。だからいつも一人でまっているの。でも、もしおそくなるようだったら、先に一人でお弁当をたべるんだよ」
・「学校がつまらないから、行きたくない。勉強もできないし。今日も算数の時間に答えをまちがえてばかにされた。運動も苦手。だからドッジボールでいつも狙われている。友だちもいないから、いつもひとり。遠足の時もひとりだからお弁当はたべなかったんだ。終わって帰りの公園で食べた。お母さんが心配するからね」
(報告書に記載された事例の一部から)
チャイルドラインほっかいどうの代表理事の児玉芳明さんは、広報紙でこのようなメッセージを発する。
「この1年、チャイルドライン・カードを持って個人、企業、団体を回り理解とご支援をお願いしてきました。チャイルドラインが行っていることをお話ししますと『とても大切な活動ですね』が一致したお答えでした。今の子どもたちが置かれている現状について、だれもが不安を持っているとの印象です」。
こうした活動を支援する方法は主に2つある。
ひとつは「生会員」になる方法。1口1,000円を3口以上。個人の一般会員は1口5,000円。団体の一般会員は1口1万円だ。
もうひとつは年に1回発行される広報紙「チャイルドラインほっかいどう」というA4サイズ6〜8ページ冊子に、名刺広告を出すという方法だ。
こちらは、5,000円と3,000円の2タイプが用意されている。
昨年配布されたフリーダイヤルをPRするカード
いじめ、虐待、貧困など、子どもたちを取り巻く環境は厳しさを増し、電話で子どもの声に耳を傾け心の居場所づくりをする。
チャイルドラインの役割はますます重要になっている。
フリーダイヤル番号を記載したカードを、全道の小中高生や障がいを持つ子どもたちに配布している。こちらは日ハムなどが支援する。
また、ボランティアで活動する電話の受け手も募集している。
支援の輪を広げたい。