所有前提の発想転換を〜経済学者・文明評論家のジェレミー・リフキンさんのインタビュー記事
米国出身の経済学者・文明評論家のジェレミー・リフキンさんのインタビューに応えた記事が興味深い。日経新聞から。
・第1次、第2次産業革命で必要とされた蒸気機関や印刷を導入するには莫大な投資が求められた。インターネット時代の第3次産業革命は、その投資コストを不要にする。3Dプリンターによる生産、風力や太陽光による再生エネルギーの供給は、都市への労働力の集中も不要にする。
・モノやサービスにかかるコストが限りなくゼロに近づいていく。デジタル化で原材料が不要になり、印刷コストや流通コストもかからなくなった。生産コストが極限までそぎ落される「限界費用ゼロ社会」に入り、利益や所有権を前提とした資本主義は発想の転換を迫られる。
・モノも所有から共有へと変わる。20〜30歳代の「ミレニアム世代」は環境破壊につながる物質主義に距離を置き、モノを所有しなくなっている。カーシェアリングの車両1台につき、自家用車は15台減る。自動車メーカーの事業そのものを変える変革だ。
・小売業で働く労働者が段階的に減るとの予測を疑う者はいないだろう。製造業も生産現場は完全自動化に向う。ただ、モノを消費しなくなれば生活コストそのものが下がる。収入を得るために働くという概念が変わり、社会貢献が労働の大きな目的となるだろう。
・シェア経済においては、巨大資本を必要としなくなり、GDPの低下につながるだろう。ただ、生活の質は高まり、経済を計測する新指標が必要になる。IoT時代は高速通信などインフラが欠かせない。社会基盤をどう維持するか。デジタル時代の課題となる。
新聞、雑誌、テレビ。
マスメディアはどのような形態で生き残るか。はたまた、折込みチラシや紙のカタログといった宣伝ツールは残るのだろうか。
たまたま朝のテレビ番組で取り上げていた「卒業旅行で学生が撮影した動画」を見ると、ドローンやGoProを駆使して撮影し、アプリでかんたん編集された動画はものすごいものがある。充分、テレビ番組として「使える」映像のクオリティだった。
モノ、情報、労働。
すべてが変わる。