小樽観光のおすすめ「小樽芸術村」はすばらしいアートが集まった熱量あふれるスポット

小樽芸術村は合計4棟の歴史的建造物を利用した複合スポット。

旧北海道拓殖銀行小樽支店をリニューアルした「似鳥美術館」+旧三井銀行小樽支店+旧高橋倉庫の「ステンド美術館」+旧荒田商会のミュージアムカフェからなる。

いずれも大正12年〜昭和10年といった100年近く経った建物を利用した施設。4つの建物のあいだには駐車場と中央広場が設けられていて、エリア一帯を歩いて移動できるようになっている。

2017年9月にグランドオープンした「小樽芸術村」。

(株)ニトリが運営する北海道観光の新しい目玉スポットだ。JR小樽駅から徒歩約10分。色内(いろない)1丁目という小樽のいわば中心街に位置している。その付近には、小樽運河ターミナルや旧日本銀行小樽支店を活用した金融資料館、市立文学館・美術館がある。

メイン施設となる「似鳥(にとり)美術館」に入ってみよう。

自動券売機で入館料を選択する。一般・学生・高校生の区分けがあり、3館(旧高橋倉庫+旧荒田商会)共通券か、単独券が選べる。はじめての訪問なら、迷わず「3館共通券」がいいだろう。金額的にもおとくになっている。

旧たくぎん小樽支店の建物を利用した美術館は、全部で5フロア。

1階は、ステンドグラスが美しいフロア。ルイス・C・ティファニーのステンドグラスギャラリーだ。ルイス・C・ティファニーとは、あのジュエリーブランド「ティファニー」の創立者を父とするガラス工芸家。1900年代にアメリカで活躍した多才な芸術家。アメリカン・アール・ヌーボーの騎手による精巧なステンドグラスを間近で鑑賞することができる。

フロアは荘厳な雰囲気につつまれ、あたかも異国の教会にいるような気にさせられる。裏手には、ステンドグラスにさわれる解説コーナーもあり、その精緻な表現技術におどろくばかりだ。

2階は日本を代表する版画家・棟方志功の作品。仏師・彫刻家として名高い高村光雲とその弟子たちによる木彫作品が展示される。

3階は、近代・現代の洋画。ピエール・オーギュスト・ルノワール、マルク・シャガール、モーリス・ド・ヴラマンクといった巨匠の作品が。

4階は、藤田嗣治、岸田劉生、横山大観といった日本画の作品が展示される。そして、地下1階には、アール・ヌーヴォー、アールデコグラスギャラリーとして数々のガラスランプなどが美しさを放っている。

いったん外へ出て、次は旧三井銀行小樽支店の建物に入ろう。さきほどの旧たくぎんとは違い、こちらは重厚な意匠の建築美がそのまま残されている。

高い天井。大理石のカウンターなど堅牢な銀行建築に驚くばかりだ。

ここでは、その天井に映し出されるプロジェクションマッピングの上映をぜひ鑑賞したい。10時半から15時半まで1時間おきに上映される。

中庭を通って、旧高橋倉庫を利用した「ステンドグラス美術館」も圧巻だ。こちらは伝統的な技法によるイギリスの教会ステンドグラスに囲まれる。

1階、2階とさまざまなガラス細工を鑑賞しながら、絵付け体験コーナーでは、このステンドグラスの絵付けを実際にやってみることが可能だ。

ワインビネガーを使った伝統的な手法で、下絵をベースに筆で線を描く。この下絵は実際に展示されている模様になっているので、自分が描いたものと職人のものと比べることができるというもの。いかに当時の職人が精巧な仕事をしていたのかが体感できる体験だ。

各施設には音声ガイドもある。好きなコーナーでじっくりと静かに、文化芸術のすばらしさをふれ豊かな気持ちになれる場所。小樽で歴史と芸術にふれてみたい。