日本企業として初の売上高30兆円を超えたトヨタの経営のコツ

「トヨタ30兆円の城は盤石か」という論説記事が載っていた。日経新聞の「核心」コーナー。
トヨタ自動車の2019年、連結売上高が30兆2,256億円に達した。日本企業として初の30兆円を超えたという。
30兆円。
これがどれくらいすごいのか、われわれ市民には実感がわかない。記事では、自動車メーカー第2位のホンダの売上高16兆円弱を紹介している。
グラフでは電機メーカー3社とも比較している。電機メーカーは自動車とならび、日本では「製造業の雄」とされた。
1989(平成元)年から2019(令和元)年までの30年間のグラフ。日立・ソニー・パナソニックは売上高5兆円ほどからこの30年間ではほとんど横ばい。若干増えたという結果であった。
しかし、トヨタのグラフは驚異的だ。右肩上がりにぐんと伸び、2008年のリーマンショックの時には5兆円ほど落ち込んだが、それ以降はV時回復して過去最高を記録している。
自動車会社は「数万点の部品を組み合わせて1台1台作り込む地道な仕事だ。政府から独占権を得ているわけでもなく、競争は厳しい。そんな環境下での30兆円は相当に密度の濃い30兆円といえる」。
トヨタ創業家出身の豊田章男氏が社長になって10年が経つ。この10年で他の会社にあって当然のものがトヨタにはなかったそうだ。それは、販売台数などの数値目標だ。「数値目標はあえて掲げない」。
フォルクスワーゲンや日産が数字のわなに足をとられた。時に数字は達成しなければというプレッシャーによって不正などにもつながる。
もうひとつは、創業家出身ならではの大胆な意思決定があったことも記事ではふれている。住宅事業のトヨタホームをパナソニックとの共同出資会社への移管など、豊田家が深く関与した事業だけに「サラリーマン経営者なら見直しに尻込みしたかもしれない。章男社長がファミリーの一員だからこそ、過去のいきさつを超えて再構築に踏み出せた」という声もあるそうだ。
大きすぎて参考にならないかもしれないが、こころに留めておきたい。