ニセコで早朝、熱気球フライト

早朝、6時。ニセコ。朝のすがすがしい空気の中、大きくカラフルな気球が、内部に空気をためこみながら膨らんでいく。約10分。ゴーッというガスバーナーによって暖められた空気を送りバルーンは無事立ち上がる。パイロットが風の動きを読み、スタッフが懸命に乗車カゴを抑えつつ、微風がおさまるタイミングで離陸。すーっと、気がつけばゆっくりと上空へ上っていく。
パイロットが「熱気球の影をよく見てください、動いているのがわかりますよ〜」と。数分後、高さ30メートルほどの上空へ。落ち着いてあたりを見渡すと、東に羊蹄山、南にニセコアンヌプリ山、西に乗馬クラブの全景、北には昆布の市街地が見える。ぐるり360度。文字どおりのパノラマが開け、参加者からは歓声があがる。

集合はニセコビレッジスキー場の下、ニセコカントリーファームとなりの広場。予約の段階では「気象条件によっては飛べないこともあるので、催行の決定は当日の朝6時に電話で連絡します」と。風速4メートル以上では飛行できないので、運行確率としては5〜6割ほどだそう。
今回の熱気球体験は係留でのフライト。地上の建物や車に取り付けた4本のロープで安全を保っての飛行体験。なにせデリケートな熱気球。風に左右されるのです。約5分ほどの空中飛行を満喫した後、着陸はちょっと緊張感が高まる。パイロットから「少々、ドンとなりますよ。皆さん、ひざを軽くまげておいて。クッションのようにしてくださいね」。着陸後はすぐさまスタッフがサポートしてくれ、無事にカゴから出て飛行体験が終了。参加人数によっては、これを複数回実施する。
飛行が終わった後は、使った機体にさわることもできる。上部の穴部分を大きく空けて空気を抜いてしぼませる。長く細く布をまとめてぐるぐると小さくしていく作業に参加もできる。気球となる布部分は重さ約130キログラム。カゴは158キログラムもあり、そこにプロパンボンベ2本を積み、参加者の体重が加わる。熱は温度100℃に暖められた空気を蓄え、これらの重さを持ち上げて飛行する。

実施は、北海道ライオンアドベンチャー。ラフティングやサイクリングを中心に熱気球も実施。パイロットは同社代表でもある下田伸一さん。長野県で研修をして資格を取得。10数年のキャリアがある。参加者はニセコに宿泊者はもちろん、札幌からの申し込みも多く、朝4時に出発してくる人も多いとのこと。
一度は体験してみたい空中フライト。大きな感動が味わえる。