鉄道の「新常態」にヒントを〜JR東日本社長のインタビューを読む

JR東日本の深沢祐二社長が日経新聞のインタビューに答えている。鉄道におけるコロナ下での「新常態」に驚いた。
「月曜経済観測」コーナー。
・定期券の販売動向を見ると、平時の7割強まで利用客は戻ってきた。今年度末には8割強に達するだろう。だが、テレワークの定着などで完全に元に戻ることはないと覚悟している。
・東北新幹線など長距離の旅客は、お盆のころは例年の2割程度だった。今は5割程度に戻った。ただ、東京の人が地方に出かけるのは例年並みまで回復したが、その逆は1割にも満たない。コロナ感染者の多い東京に行くのは怖いという感覚が地方の人には多く、解消にはかなりの時間が必要だろう。
・東北や新潟の海産物や果物を新幹線で運んだところ「トラックよりはるかに速く首都圏の消費者に届けられる」と評判になった。これまで、誰も気づかなかったニーズが眠っていた。今後は増やしていきたい。
・駅ナカの空間にカプセル状のシェアオフィスを用意し、15分単位で貸し出している。ホテルの空き部屋なども時間貸しのワーキングスペースとして活用したい。
・来春に首都圏の終電の時刻を5〜30分程度早めたい。これは前々から考えてした施策だが、コロナで深夜時間帯の利用が目に見えて減り、この機会に実施することにした。
・料金面でも、混雑時間帯を避けて乗る人向けの「オフピーク定期券」を導入したい。普通の定期券より安く料金を設定し、ラッシュ時以外の利用を促進することで、満員電車のピークの山を低くする狙いだ。
なるほどだった。
コロナ禍にあって、打てる手はいろいろあるということだ。
ピンチをチャンスに変えるお手本のような事例。
大企業のみならず、中小企業にだってやれることはあるはずだ。
ニーズを探し、対応したい。