世界自然遺産の知床・ウトロで野生動物ウォッチング、「シンラ」ツアー

冬ならではのアクティビティに参加する。道路わきから車中から、知床の野生に出会えるツアー。世界自然遺産登録12年となる知床。ウトロ周辺の森などにいる野生生物を探し、双眼鏡などを使って手軽に観察できるツアーだ。

集合は道の駅「うとろ・シリエトク」。ガイドと待ち合わせ、ワゴン車に乗り込み岬の先端部方面へ移動する。

川にかかる橋を渡ったところから世界自然遺産登録エリアに入る。途中、エゾシカの群れを発見。道路に車を停めて、ドアをあけ、しばし観察。

ガイドが「今日はたくさんいます。鈴なりに何かがいること、わかりますか?」と。あたりを見渡してもさっぱりわからない。ガイドが指差す方向に目をこらすと、大きな鳥が留っている様子が確認できる。無料レンタルの双眼鏡を使って見ると、肩に白い模様がある国の天然記念物・オオワシだ。

「クワックワックワックワッ」と独特の鳴き声。大きな羽を広げて優雅に飛ぶ様子が見られる。写真に写るちいさな点がそれだ。

道を折り返して進むと、ガイドがまた何かを発見。エゾシカだ。道路脇の斜面で、警戒しながらエサのササを食べるようすを20〜30mほどの至近距離で見ることができる。

河口近くにも、オオワシ・オジロワシが!

ツアーを実施するのは、特定非営利活動法人知床ナチュラリスト協会、通称「シンラ」。知床ネイチャーガイドの先駆者として1998年からツアーを企画・運営している。

この日のガイドは吉田理人さん。東京出身、母方の実家がウトロにあり夏冬休みなどにはよく帰省して遊んでいたそう。学校卒業後は札幌で会社員をした後、自然豊かなここ知床に引きつけられるようにガイドとして経験を積む。

「初冬や早春にはヒグマを発見できることもあります。真冬はアザラシのほか、クマゲラ、フクロウなどの野鳥類に出会うことも。森と川と流氷がやってくる豊かな自然があることで、食物連鎖を間近で感じることができます。木々の葉っぱが落ちた冬こそ絶好の時期です」と。

世界的にも有数の自然環境を、野生生物の観察を通じて広めている。

アクティビティの前後に、ぜひ立ち寄ってほしい施設。「知床世界遺産センター」。道の駅に隣接する環境省の施設だ。知床の自然を各種パネルなどをつかって説明している。

シンラ

北海道体験.com