野口観光、野口秀夫社長が語るコロナ下の戦略

北海道新聞経済面の「立ち向かう新型コロナトップが語る」コーナー。野口観光の野口秀夫社長がインタビューに答えていた。

・コロナ禍がこれほど長期化するとは思わなかった。ホテルや旅館は生き残りをかけた淘汰の時代に入っている。2020年度の売上は、トータルでは前年の6割ほどになった。回復には時間がかかるだろう。

・当社では3つの価格帯の施設を展開している。高級クラスの落ち込みが小さかった一方で、割安クラスは回復が遅く利用の少なさも際立った。これは「お買い得感」が宿泊先として選ばれる基準になったということだと思う。割安帯の大型施設は長らく北海道の観光をけん引してきたが、ハード・ソフトの両面で見直しを進める時期にきていた。ある意味、コロナがその背中を押したと見ている。

・宿泊の主力が団体客から少人数のグループや個人客になり、旅行代理店からインターネットによる販売へと変わる流れは今後、ますます加速するだろう。この変化に合わせ、宿泊施設も変わらないといけない。「お一人さま」やペット連れ、eスポーツなどをキーワードに新しい客層を開拓しないとコロナ後に立ちゆかなくなってしまう。

・コロナ後を見据えた観光キャンペーンを地道に続けることが大事だ。インバウンドに限らず、国内、道内客に向けて細かな需要を拾い上げられるよう、新しい商品づくりを進めていきたい。