「お見舞いセット」を発売し話題となった、釧路の老舗ローカルスーパーの話

道新の「今日の話題」にちょっといい話が紹介されていた。「お見舞いセット」と題した釧路市のローカルスーパーの話題。
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創業65年。「あいちょう」は釧路市内に2店ある老舗の食品スーパーだ。さなかクンそっくりのフグの帽子を愛用する相沢長昇社長は「お客さまに親しみを持ってほしくて」と狙いを語る。
新型コロナウィルスの感染が急拡大する中、8月下旬に自宅療養者向けの「お見舞いセット」を発売した。レトルトのおまゆ、カップそうめん、あめ、ゼリー、果物の缶詰…。2日分の食料品の詰め合わせで1セット3,132円。感染者が多いと道が自宅療養者に無料で配っている食料品はすぐには届かない。外出できず、保存食のない人はどうしたらいいのか。困惑する療養者のニーズに応え、100セット以上が売れた。
相沢社長を驚かせたのは、ネットで一気に広まり、全国のメディア、同業者から問い合わせが相次いだことだ。同様のセットを並べる大型店も出てきた。「自分が発信したことで世の中がちょっと動いた気がしました。全国で苦しんでいる人のお手伝いができるのではないか、と。商売人として名誉なことです」
もともと同社には、従業員が感染した時にお見舞いの食料品を支給する内規がある。「食品スーパーで働く人たちに食べ物で不便をかけたくない。スーパーとしてのプライドがある」と言う。自宅療養を経験した従業員、客、取引先の意見を聞き、改良したのが「お見舞いセット」だ。「お客さまに提案できることはまだあるはずです」。若き3代目社長の視線の先には苦楽を共にする地域の人たちがいる。
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なんとも、すばらしい取り組みだ。我が家でも自宅療養者が出た時、道庁から送られてくる食料品は1週間近くが経過してから届いた。そこの不便を解消する商品企画。スタッフや取引先・お客の声を真摯に聞く姿勢があったからの企画だろう。
「食品スーパーで働く人たちに食べ物で不便をかけたくない。スーパーとしてのプライドがある」。ここにもしびれた。
釧路に出張で訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみたい食品スーパー。「あいちょう」さんである。