鉄道開業から150年。北海道の線路網を守るにはどうしたらいいのだろうか

日本初の鉄道が、東京=横浜間に開通してあす・10月14日で150年を迎えるという。北海道ではその8年後、1880(明治13)年に小樽・手宮=札幌間が開通した。鉄道は旅客・物流の柱として産業や生活を支えてきた。新幹線は函館から九州の鹿児島まで路線を広げている。一方で、人口減少を主要因にローカル線利用は低下し、1987(昭和62)年の国鉄民営化前に多くの路線が消えた。
鉄道最盛期だった1970(昭和45)年の道内総延長は約4,300キロという。現在廃止が決まった区間を含めると数年後にはこの半分までに減る。その背景には、高速道路と自動車道が約1,200キロ整備され、利便性が高まったことが上げられる。鉄道客はマイカーや高速バスへと移っていった。
北海道はJR各社の中で唯一、私鉄との競合がないという。ということは、鉄路の行方はJRの経営問題と直結する。かつてあった私鉄は、石炭や木材輸送がメインで時代とともに姿を消した。
今から8年半後の2030年度末の新幹線札幌延伸に伴い、余市=小樽間や、長万部=小樽間はJRから経営分離される。沿線市町は協議を重ね、廃線を決めた。
公共交通機関とは、どうあるべきなんだろうか。国の財政支援後もJRの連結赤字は400億円にも上る。JR北海道という一企業では解決がしようにない。飛行機会社やバス会社と連携し、補完しあう仕組みが必要だとは、新聞の社説の言い分だ。
わたしはもちろん、こうした論議に対して答えを持ち合わせているわけではない。世の変化に対応していくこと、こそが生き延びていくすべであるとは思っている。しかしながら、それで困る人もいるわけだ。困る人の多くは高齢者や高校生といった、交通弱者だ。弱者にもやさしい社会。その実現にみなで知恵を絞っていければいいと思うのだが。