カタカナ単語

とある日の新聞に載っていた記事/原稿。新しい飲食店を紹介する内容である。その記述にはカタカナ単語が多数、用いられていた。カタカナ=外来語。カタカナ単語を使っていると「文字数だけがだらだらと多い割には、内容の薄い文章」に見られがちだ。加えて、正確な意味が伝わっているのだろうか、という疑念もわく。実際に掲載されていた文章を題材に、カタカナをできるだけ漢字とひらがなで表現してみた。

===原文ここから=== 

「今週は野菜不足だなあ」。そう感じた時におすすめしたいのが、・日にオープンした「・」だ。同店は「サスティナブルフード」を大切にしたカフェ&ダイニング。サスティナブルフードとは有機農産物など、自然環境や社会にできる限り負荷を与えずに作られる食材や食品を指す。店内には北海道産を中心に、季節野菜が並ぶミニマルシェもある。
 ランチタイム限定「・」は本日のスープ、メイン料理、たっぷりのサラダ、野菜の小さなおかず4種類、酵素玄米と、ボリューム満点。サラダひとつ取っても、葉野菜を自家製ドレッシングであえ、味や食感のアクセントにさまざまな自家製ピクルス、素揚げ野菜がトッピングされていて、丁寧に作られているのがよくわかる。
 メイン料理は「・」からセレクトできる。「特におすすめはハンバーグ。お肉の味わいを生かすため、ソースはあえて使いません」と、店長兼シェフの・さん。有機JAS認証を得た道内の酪農家から出荷されるホルスタイン経産牛(母牛)の有機ビーフは、全国でも珍しい。放牧主体で育っているので、赤みのうまみが濃いのが特徴。Sシェフは自家製の甘酒から作る塩こうじと2種類のハーブ、半日かけた玉ねぎのみで味を調えている。かむほどにその味わいが広がり、印象深いハンバーグに仕上がっている。
 このほか、ドレッシングを選べる「・」、などのメニューも用意。
 同店は複合施設になっていて、2階はコワーキング・レンタルスペースとして利用できる。

===原文ここまで===

===カタカナ語を変換した文章ここから===

「今週は野菜不足だなあ」。そう感じた時におすすめしたいのが、・日に開業した「・」だ。同店は「持続可能食材」を大切にした喫茶と食事処。持続可能食材とは有機農産物など、自然環境や社会にできる限り負荷を与えずに作られる食材や食品を指す。店内には北海道産を中心に、季節野菜が並ぶ小さな市場もある。
 昼食時限定「・」は本日の汁物、主料理、たっぷりの生野菜、野菜の小さなおかず4種類、酵素玄米と、量は満点。生野菜ひとつ取っても、葉野菜を自家製の野菜にかける液状の調味料であえ、味や食感のひと工夫にさまざまな自家製漬物、素揚げ野菜が載っていて、丁寧に作られているのがよくわかる。
 主料理は「・」から選ぶことができる。「特におすすめは、ひき肉固めの焼きもの。お肉の味わいを生かすため、たれはあえて使いません」と、店長兼料理人の・さん。有機JAS認証を得た道内の酪農家から出荷される経産牛(母牛)の有機牛肉は、全国でも珍しい。放牧主体で育っているので、赤みのうまみが濃いのが特徴。S料理人は自家製の甘酒から作る塩こうじと2種類の薬草、半日かけた玉ねぎのみで味を調えている。かむほどにその味わいが広がり、印象深いひき肉固めの焼きものに仕上がっている。
 このほか、野菜にかける液状の調味料を選べる「・」、などの品書きも用意。
 同店は複合施設になっていて、2階は貸し協同仕事場として利用できる。

===実験ここまで===

どうだろう。漢字や日本語に訳すると、正確な感じがする。でも、「ハンバーグ」を「ひき肉固めの焼きもの」とするのはやりすぎであろう。「ドレッシング」もすでに固有名詞のように思う。こまかい単語は別として、なんだか「和食」の店に見えてくる。これは、本来の趣旨とは離れてしまうのだろう。

執筆者として、できるだけカタカナ単語は使わないようにしつつ、ニュアンスが異なる場合には、あえて使っている。そういう態度で臨むことにしよう。