閲覧メディアの変化〜未就学児を育てる母親の変化から

育児情報をどこから得ているかー。SNSで収集する人がコロナ禍を経て一番となった。ベネッセ教育総合研究所(東京)の調査結果である。2022年3月、首都圏の生後6カ月以上の未就学児を育てる母親を対象に、しつけや教育についてどこから情報を得ているかを聞いた。WEBで4千人以上から回答を得た。
今から8年前。2015年の調査では、「メディア」部門ではブログなどが最多で63.3%だった。次がテレビ・ラジオの54.9%。次いで、育児・教育雑誌の38.2%となっていた。まだ、伝統マスメディアが見られていた。もっとも、一番多かったのは友人・知人で72.0%と口コミの類いが圧倒的に強かった。
それが7年経って、コロナ禍という大変化がメディア環境にも大きな変革をもたらした。人と会う機会が減った一方、スマホ利用のSNSが使いやすくなった。結果、1位はFacebookやツイッター(現X)・LINEといったSNSで49.8%。2位はブログの45.2%。3位は友人・知人の36.0%となった。
ちなみに、新聞はたったの3.2%。育児書や教育書といった書籍は12.9%である。
アンケートの対象者は、おそらくは30歳代の女性である。これからは、この世代以下が世の中の主流になるであろう。そうした時、次の指摘が参考になる。いわく「現代人は忙しく、すきま時間にSNSの動画コンテンツで情報を得ることが好まれている」。同研究所の研究員の分析である。今後、しばらくは、この傾向が続くのであろう。