東京大学の松尾豊さんが日本経済新聞のインタビューに応え「『黒船』コロナ、変革迫る〜デジタル化・AI普及を今こそ」

東京大学の松尾豊さんが日本経済新聞のインタビューに応え「『黒船』コロナ、変革迫る〜デジタル化・AI普及を今こそ」
日本経済新聞9月21日付け

AI研究の第一人者である東京大学の松尾豊さんが、日本経済新聞のインタビューに応えている。「『黒船』コロナ、変革迫る〜デジタル化・AI普及を今こそ」

・新型コロナによってデジタル化、オンライン化が急速に進んだ。AIの普及に追い風が吹いた。起こるべき変化が早送りで起こった印象だ。

・普段からデジタル、オンライン、AIをどこまで活用しているか。いつも使っているものは有事の際にも応用が利く。日本の場合はそこが準備できている状態ではなかった。遅れの原因は国全体での考え方が甘かった。「ネットは大したことない」と軽視する状況が20〜30年続いてきた。ITの可能性を見誤っていた。企業経営者も従業員も勉強が足りなかった。これが日本の産業が伸びない原因になってしまっていたと、コロナで突きつけられたのではないか。

・変化は悪いことではないという雰囲気になりつつある。在宅で仕事をした時に「結構できる」、「しんどかった通勤とは何だったのか」という思いを多くの人が持つとすると、同じかたちで元にもどることはないだろう。ここ5〜10年、「このままではいけない」という感覚は多くの人の中に芽生えていた。GAFAが成長し、日本企業ががんばっても韓国や中国の企業に抜かれていくのを見て「変わらなくてはいけない」という考えになっていた。若者は変化を望んでいるし、経営者の危機感も年々強くなってきた。

・コロナは実際の行動に移す大きなきっかけだ。「黒船」がわかりやすいかたちでやってきた。変わらないとこのまま滅んでいくと突きつけられている。一生懸命、変わる方向を模索すればよいし、いったんそういうメンタリティーになればチャンスはあるはずだ。

記事では「新型コロナの危機に直面し、デジタル技術の活用が世界で加速した。時計の針が戻ることはなく、今後もその流れは変わらないだろう」。「浮き彫りになった課題に早急に手を打たないと、日本はグローバルな潮流から完全に取り残されてしまう」と危機感をあらわにする。

わたしの仕事現場でも、デジタル化はまだら模様ながら確実に進んでいる。もはや、「チャットワーク」といったクラウドサービスを使いこなせないと、得意先とのコミュニケーションにも支障をきたす。「Zoom」を使わなければ、会議にも参加できないしセミナーも聞くことがができない。AIが普及すれば、ロボットがニュース記事を書くのが一般化するだろう。こうした変化を受容し、効率化するべきところはデジタル化し、あまった資源はほかのサービスやソフトに振り向けなくてはならない。

記事が指摘するまでもなく、コロナ前に「戻ること」は決してない。新しく生まれてくる技術やサービスをいち早く試してみて、よいものはすばやく取り入れる。この基本姿勢を加速させたい。

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